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TOTO佐倉工場

私は高校1年の頃から3年間、現場でアルバイトをしていた。
そう、この会社に入るきっかけとなったころの出来事である。

現場ではユニットバスの施工をやるのであるが、入りたての人間が施工を出来る程、世の中甘くない!!
そう、ノウハウ、スキル、資格が無い人間が出来ることはただ一つ・・・・・・
搬入である。

ただ、ただ、風呂を運ぶ。
風呂といっても、壁や扉(確か、壁と扉で1台6枚から10枚ある)から水洗金具。カウンターや部材箱・・・・
それも、集合住宅だと3階まで手上げ(階段や足場から搬入することも・・・)。
へたすりゃ、5階まで手上げ・・・・。
それも20台とかある場合も・・・

今考えてみれば、1台で20個のパーツを往復して運ぶとして、それが20台あったら!?
なんと、400往復!!
それを下手すりゃ2人とか、3人、人手があっても4、5人でやるんだから・・・・・・・
80往復から・・・200往復!!!


そして、何より凄いのが床!!


床!!を運ぶのである。
下手をすれば、床に浴槽がついている(正確にはハーフタイプという)・・・そんな馬鹿でかい床!!を運ぶのである。

で・・・もっと、信じられないのが、それをなんと!?一人で!!
今、考えればありえない話であるが、実際にあった話だから仕方ない!!


そんな私が、始めて仕事をしてお金を頂いた仕事であるから、特に想い出に残っている。
ただ、ただ、荷物を運ぶ仕事。
高校の頃の友人も誘ってみんなでやったが、ただ、ただ、荷物を運ぶ仕事。
ちなみに、1台ならまだ良いが、1回の搬入に20台とかあるのだから、ただ、ただ、荷物を運ぶ仕事になる。


そんな運んだ荷物。
運んでいる当時は、何も考えず運んでいたが、今日は、その荷物を発送している工場を見学してきた。
それが、TOTOの佐倉工場である。

私を案内してくださったTOTOの職員に伺ったところ、佐倉工場は18年前から稼動し始めたとのこと。
そう、私が荷物を運んでいた当時は、茅ヶ崎工場から佐倉工場へ移行の時期で、茅ヶ崎工場からも佐倉工場からも荷物が来ない!!なんてこともあった。
(そう・・・私がITの仕事に移ってもよく使う言葉の一つ「手待ち」である。文字通り手が余るという意味)

その当時は、どんなところで作って・・・・
どんな人が使って・・・・
なんて、全く考えていなかったが、今は、どういうところで、どんな人がつくって、そして、どんなお客様が使ってくださっているか? 私が運んだユニットバスは未だにあるかなぁ?

なんていうことを考えることが多くなった。

ITの仕事というのは、日進月歩の技術や情報が出てきて、面白いといえば面白いが、陳腐化も激しい。
だから、自分のつくったものは、10年持たない。
でも、私が15年以上も前に施工したユニットバスは、未だに使ってくれている人は居るはずである。

現場は汚い・危険・きついの3Kと呼ばれる仕事であるが、振り返ってみると誇りに思える仕事であった。


そんなことを考えながら、工場を見学させて頂いた。
15年経ってやっと、自分の仕事に取り組む原点を振り返ることが出来た。

今日は、充実した一日であった。

追伸、案内してくださった、TOTOの職員の方々には特にお礼を申し上げたい。ありがとうございました。

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コメント

私も学生時代、搬入のアルバイトをした事があります。
忘れがちですが、営業を行い物を作るいわゆる上流工程の人達が認められがちですが、最後に納品を行う方々の力があって初めて顧客が満足してくれるのですね。
システムも医療も同様に、縁の下の力持ちになってくれる人が必ずいるはずです。感謝の心を忘れずにいたいものです。

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