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矯正歯科治療における患者ー医師関係がコンプライアンスに与える影響(患者満足度調査)

矯正歯科治療における患者ー医師関係がコンプライアンスにどのように影響するかを調べた研究がある。
前田泉氏、徳田茂二氏著・患者満足度(コミュニケーションと受療行動のダイナミズム)P50~P52の抜粋させていただいた。
※この本は患者のことを真剣に考えている医院であれば、是非とも読んで頂きたい。患者満足度調査を極力客観性を持つよう構成してある。ただし、論文になっていないため、妥当性の評価が出来ないことが勿体無い。某大学の名誉教授のご推薦を頂いて読んだ本である為、読む価値は十分にあると思う。

以下抜粋
矯正歯科治療において、8~17歳の199名の患者を対象に、患者ー医師関係がコンプライアンスにどのように影響するか調べた研究では、歯科医がいかに患者と良好な関係が築けるかが、治療コンプライアンスと統計的に有意な相関を示したと報告している(shinba,P.K.et.al 1996)。「患者への礼儀正しさ」「治療に痛みをともなう場合は、そのことを患者に知らせる」「友好的で、落ち着いた感じの会話」が治療コンプライアンスにとって統計的に有意な項目であった。逆に「患者の歯や患者が行っている歯のケアのやり方に対する批判」はコンプライアンスを下げていた。興味深いのは、年齢別にみても患者ー医師関係が治療コンプライアンスに与える有意な影響がみられたことで、それは、小児であっても「ひとりの人間」として扱われることが重要であることを示唆していた。


以下抜粋
コンプライアンスとは、患者の服薬、食餌や生活習慣の変更に対する行為や態度を示す言葉である。どんなに優れた医薬品があっても、適正な服薬がなければ十分な薬剤効果が出ないばかりか、副作用の発現んにもつながる。

抜粋終

つまり、歯科医師(矯正医)にどんなに技術力があっても、患者にしっかりとしたコンプライアンスがなければ、十分な結果は出せないということであろう。そういう意味で、患者が言うことを聞かないから治らないんだ!!というだけではなく、
患者がどうしたら保定装置をつけるか?
患者が苦しいのではないか?
患者が痛がっているのではないか?
患者のライフスタイルにあっているか?
そんなことを医師サイドにも考えてもらわなければ、医療の質の向上は見込めないのではないだろうか?

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