中国のパワー
先日の上海視察は、私にとって大変センセーショナルなものであった。
その理由は、上海交通大学医学院付属第九人民医院を視察させていただいたことが大きい。
日本では矯正だけでなく歯科治療全般において、1医院あたりの患者が少なくなってきているように感じる。
これは、患者が減ったということより、歯科医院数が増えたことが原因と考えられる。
中国では13億人という人口を背景に、豊かになればなるほど、矯正をはじめとした自費の診療が多くなり、ドクターが足りないという循環が生まれる。
今回、病院を案内してくださったS教授は、1991年当時に日本の歯科大学に矯正の勉強でやってきたらしい。
その当時に日本に留学できるのだから中国では裕福な家庭であったと推測できるが、それでも、日本に留学しているときには、日本での物価の高い生活は大変だったとのこと。
留学生であるからアルバイトも出来ずに困っていたところ、当時の歯科大学のF教授と、今回私たちを誘ってくださったH先生が、装置だか、模型をつくるアルバイトを1個3000円か4000円で用意してくれたことをとても感謝しているとS教授は話しておられた。(ちなみに、1991年当時2000円が1か月の一般的な給与レベルだったらしい)
何を言いたいかというと、たかが20年程度で、その経済状況は一変し、高級車が上海の町にはありふれ、高層ビルが立ち並び、人はギラギラと富を追い求めて走り回っている。
日本との一番の違いを感じたのは、この「ギラギラ感」
私が日本で小さいころに感じた、この「ギラギラ感」
このギラギラ感が抜けて良くなったところと、無くしてしまって悪くなったところ。
今の日本にはそんな印象をうけた。
いい意味でも悪い意味でも、中国はパワーを感じる国であった。