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医療経営(整形外科の医療経営)

先日、ある歯科医師からのご紹介で整形外科医を紹介して頂いた。
100名程度の職員がいらっしゃるとのことで、設立後約10年としては急成長と言っても過言ではない。
院長はじめ、事務長、リハビリテーション科の科長とお話をする時間を頂いた。

院長のお話によると、大きくする為に、大きくなったのではなく、急性の治療からリハビリまでをひとつの場所で行うこと(トータル医療とでもいうのだろうか?)が、患者にとって有益であると考えたから、大きくなっている旨の説明を伺った。

もうひとつ印象的だったことは、診療報酬の利益率の低さ。
1名あたりの診療報酬が約3,000円。
そのうちの利益は、300円にも満たないという。


3,000円というのが、1回でなのか、全ての治療をあわせてなのか?
また、利益が粗利なのか、営業利益なのか、税引き前利益なのか?

詳しい条件は、はじめてお話を聞かせて頂く先生からは伺えなかったが、ともかく驚いた。

もちろん、医療経営は利益目的ではないとの声が聞こえてきそうであるが、突発的なトラブルに対して、また、将来の院内設備導入の為、新人の確保等の費用など、挙げればきりがないほど、利益を蓄えること(内部留保)の必要性は、医療経営においても重要なはずである。


そんなことを教えていただいたのは数日前のことで、休日をはさんで少し記憶が薄くなりつつあったが、今日、ある記事を読んでいたら、そのことを思い出した。
(1週間以上経った新聞を読む私もどうかと思うが・・・・)

ある記事とは、以前、朝の情報番組で有名だった、「ウイッキーさんの英会話?」のエー・ウイッキーさんについての記事。(2007年3月11日 日経)
彼は、2004年のスリランカで発生した津波で、親を亡くした子供のために保育園を4つ作ったそうである。
はじめは、建物だけのつもりだったが、出来上がると先生の給料代とか、子供の食事代とか、次々と請求が来るらしい。
しかし彼は、それが生きがいになっているのか、支払うことをライフワークとしてがんばっているという記事である。


前述のリハビリテーション科の科長が院内を案内してくださった時に、「玉木さん、私達、理学診療士が30分施術して1800円なんですよ。30分で終わることはなかなか無いから、それ以上やることもある。足つぼマッサージより安いんですから・・・」とおっしゃっていた。

そして、こうも。
「これじゃー、長続きしないですよね・・・・」

本当にその通りである。
ボランティアだけでは、長くは続かない。


長く、そして、質の高い治療を続けて行く為にこそ、質の高い経営(マネージメント)が必要とされるのではなかろうか?


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